ドバイショック時の必要証拠金はどのくらい増加したか10.03.03
  • 前回分、ソフト利用事例集第151回の続きです。
  • ドバイショック時にどのくらい証拠金が増加したのかを検証してみます。
  • 今回は8000プットに注目してみました。

■ドバイショック前日 11/26
日経平均は、安値切り下がりが続いています。しかし陽線が2日目。底固めに入ったのかなと思わせるような展開ではありますが、仕掛けづらいですね。
ドバイショック時の225オプションスパン証拠金はどのくらい増加したか(225オプション)

オプションの価格表
ここから1300円ほど下の水準である8000プットは、4円でした。
ドバイショック時の225オプションスパン証拠金はどのくらい増加したか(225オプション)
■ドバイショック当日 11/27
日経平均は一気に下放れ。9000円割れ目前です。
ドバイショック時の225オプションスパン証拠金はどのくらい増加したか(225オプション)

オプション価格表
8000プットは35円にはね上がりました。
ドバイショック時の225オプションスパン証拠金はどのくらい増加したか(225オプション)

■証拠金の増加

今の水準である9000円から、さらに下である8000プットは35円。ここから1000円は下がらないだろうという目論見から8000プットを売り建てるとします。

この時11/27の日中に実際に計算されるスパン証拠金は、前日の11/26のものです。

11/26のスパン証拠金シート
8000プットを5枚売った場合、必要証拠金はスパン100%で119000円です。およそ12万円。
ドバイショック時の225オプションスパン証拠金はどのくらい増加したか(225オプション)

ここで、12万円くらいなら、まぁ何とかなるだろうと考えると思います。

そして当日11/27の証拠金。証券会社によって違いますが、イブニングセッションが始まる手前の16時過ぎには判明することでしょう。
8000プット5枚の証拠金は406400円。およそ41万円。日中は12万円だったのに、一気に3.4倍になってしまいました。
ドバイショック時の225オプションスパン証拠金はどのくらい増加したか(225オプション)

おそらく、このドバイショックまでに既に建てているオプションもあることでしょう。それを考えると、比較的日中の証拠金が安いからといって枚数を多く仕掛けることは危険です。思わぬ金額が追い証となってあらわれてくるからです。

では、あらかじめどのくらい証拠金が増加するのかを調べてみましょう。
11/27は、日経平均が301円安となりました。
8000プットを仕掛けるとするなら、アットザマネーに250円近づいて、8250プットを5枚仕掛けた証拠金を調べてみます。もちろん11/27の日中のことですから、使う証拠金シートは11/26のものです。
そうすると、230250円になります。これではとうてい実際の証拠金である40万円には届きません。これはもちろん後になって分かることですが。
それでは、500円近づいた8500プット5枚にしてみます。そうすると下記のように397700円となります。
ほぼ40万円です。この結果から300円程度の下げの場合は、アットザマネーに対して500円近づけば大体の証拠金が判明するといえます。
既に仕掛けているオプションがある場合、コール側は、アットザマネーから500円上へはなし、プット側は、アットザマネーに500円近づける。それで今現在の証拠金を算出させます。余裕があれば、追加売りが可能といえます。
簡単にいうと、相場が下がったら、計算シートで、コール・プット共に行使価格を上げて入力する。逆に相場が上がったら、コール・プット共に行使価格を下げて入力すると覚えておきましょう。
ドバイショック時の225オプションスパン証拠金はどのくらい増加したか(225オプション)

  • 今回は、証拠金がどのくらい増加するかに注目してみました。今後、XXショックなどということが発生しプット側を売り建てるとしたら、このように証拠金シートを使ってみてください。またいくらずらすかは、下がった値幅にもよりますが、+250円の余裕はみておきましょう。400円安だったら、500円の幅ではなく、750円ずらした行使価格に入力するという意味です。こうすれば、追い証が発生したとしてもそう多くはないはずです。
  • その他に証拠金を減らすという意味では、「買い」が有効です。例えば今回であれば、8000プット売りに対しての7500プット買いなどです。この手法は、また別な機会で更新したいと思います。証拠金シートを活用されてるユーザー様は、試しに入力してみてください。