ストラテジーのシミュレーション・初心者編


2002年3月限を仕掛ける
  • 2月のSQ、すなわち2月8日の先物の終値は9700円でした。9500円と10000円のほぼ中間ですので
  • 1.9500円(200円下)とみなし、10500円のコールと8500円プットの組み合わせ
  • 2.10000円(300円上)とみなし、11000円のコールと9000円のプットの組み合わせ
  • 3.はなれている側を採用し11000円のコールと8500円のプットの組み合わせ
  • 4.両方取り入れて11000円、10500円のコールと9000円、8500円のプットの組み合わせ
  • のいずれかを翌週(2月12日)に売ります。
  • 今回は便宜上、一番近い価格を採用します。200円下の9500円のプランで仕掛けます。(1.です。)
  • デルタ値を合わせて売るので10500円のコールを1枚、8500円のプットが7枚となります。10500円のコールのデルタ値は0.07、8500円のプットのデルタ値は−0.01です。
225オプション 2002年3月限の仕掛け-1-

2月12日の仕掛け
225オプション 2002年3月限の仕掛け-2-
10500円のコールを100円で1枚、8500円のプットを25円で7枚仕掛けました。

2月27日 損切り+新規の仕掛け
  • 10500円のコールが仕掛値の2倍以上である270円(終値)となりましたので翌日(2月28日)寄付で買い戻します。本来なら500円上にずらしたポジションを新規に仕掛けまが、今回は値上がりが大きく500円上では先物価格(10560円)から500円の差しかありません。(新規の仕掛けは先物価格から1000円はなれているポジションを採用)、そこで上に1000円ずらしたポジションを仕掛けることになります。
  • 11500円のコールと9500円のプットを同時に売ります。
  • デルタ値を合わせて売るのでコール1枚、プット5枚となります。※厳密に計算しますと違いますが、こんなところではないでしょうか。11500円のコールのデルタ値は0.01650、9500円のプットのデルタ値は−0.00357です。
225オプション 2002年3月限の仕掛け-3-

2月28日のポジション
225オプション 2002年3月限の仕掛け-4-
10500円のコールを285円で買い戻し、11500円のコールを20円で1枚、9500円のプットを10円で5枚、新規売りしました。

3月4日 損切り+新規の仕掛け
  • 11500円のコールが大幅に上がり仕掛値を大きく上回りました。終値は135円となりました。翌日(3月5日)寄付で買い戻します。本来なら500円上にずらしたポジションを新規に仕掛けまが、今回は値上がりが大きく500円上では先物価格(11340円)から1000円の差がありません。また10000円のプット(500円上)が1円です。そこで上に1000円ずらしたポジションを仕掛けることになります。
  • 12500円のコールと10500円のプットを同時に売ります。
  • デルタ値を合わせて売るのでコール10枚、プット1枚となります。※厳密に計算しますと違いますが、こんなところではないでしょうか。12500円のコールのデルタ値は0.00033、10500円のプットのデルタ値は−0.00329です。
225オプション 2002年3月限の仕掛け-5-

3月5日のポジション
225オプション 2002年3月限の仕掛け-6-
11500円のコールを300円で買い戻し、12500円のコールを20円で10枚、10500円のプットを3円で1枚、新規売りしました。

その後 3月限SQ日まで(3月8日)
  • 持続しているポジション12500円のコール、8500円、9500円、10500円のプットそれぞれの終値が仕掛値の2倍とならなかったため、SQ決済となりました。
225オプション 2002年3月限の仕掛け-7-

損益経過図 3月11日から4月12日まで 最終損失は−37円となりました。
225オプション 2002年3月限の仕掛け-8-
コメント
  • 今回のポジションは現実的ではなかったと反省しております。デルタ値を極力合わせたため、コール・プットの枚数が多くなってしまいSPAN方式を採用している証券会社でも証拠金が多く必要になったと思われるからです。
  • また3月5日に仕掛けた「10500円プット売り3円」が手数料を抜けたかどうか分かりません。
  • もしデルタ値を合わせないで組んだ場合(枚数を1枚ずつなど)は損失がもっと大きくなります。本来は毎日デルタ値を合わせ(デルタニュートラルといいます。)組み替えると良いのですが、ディーラーではありませんので無理と思われます。そこで仕掛ける時だけは合わせるようにしたほうが望ましいです。
  • ショートストラングルという戦略は原資産(日経平均)がどちらかに大きく動き続けている場合には有効ではありません。(今回、2月SQ値と3月SQ値の差が+2172.36円でした。)しかしデルタ値を合わせる事によって損失を最小限にする事が出来るということをお分かり頂けたと思います。また途中で損が大きくなってもあきらめないで最後まで組み替えることも重要です。そういう意味では今回の損失はよくできた方だと思います。
  • オプション取引の損失は儲かった月の一ヶ月分に押さえるようにする事が望ましいです。翌月には取り返すことが可能だからです。そのためには損切りのルールを守ることが大切と思われます。

※後講釈はだれでも出来ます。今回でいえば「コールを買っておけば大儲け出来たはずだ。」といわれるかもしれませんが、先の事が分からない以上、このショートストラングルという戦略はベストといえるのではないでしょうか。


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