◆予測は難しいということが分かれば上級者
例年のことですが、新聞では各界の識者（？）による景気予測や株価予測が掲載されます。
しかし、残念なことにこの予測は当たらないということで定評があります。
おそらく誰がやっても結果は同じようなことになるはずです。それほど予測というものは難しいものです。問題は難しい事柄を難しいと認識できる正常な感性を持っているかどうかです。 |
|
◆己を知る
日本を代表するような知的な人たちでさえ困難な景気や株価の予測を、何の根拠もなく「オレなら出来る」と思い込んでいる投資家は意外に多いものです。
このような投資家の自信は往々にして第三者から見ると滑稽としか思えない根拠に基づいていることが多いようです。（秘法への盲信、カリスマ的な評論家による洗脳、極端な例では「私は××大学の経済学部を卒業しているから景気や株価の予測はお手のもの」と大真面目で言った投資家もいました）
相場の難しさも理解できず己の力量の限界も知らずに株で儲かるはずがありません。たまたま儲かったにしてもそれは偶然に過ぎず、継続的に儲けることは不可能です。
|
儲かる投資家に変身するための３条件
１）目的を明確にすること
何のために株式投資をするのか、自分は投資家なのか投機家なのか立場を明確にする。
テクニカル分析やコンピュ−タを使用して売買のタイミングをはかるといった作業は明らかに投機家のものです。投資家は絶対に失敗した投機家であってはならない。そして、投機は悪いことでも下品なことでもない。
２）相場変動は確率変動と割り切ること
同じソフトを使って投資しているユ−ザ−の中でも儲かっている投資家と損ばかりしている投資家がいます。皮肉なことになまじ経験の長い投資家ほど負け組が多いようです。これは間違いなく誤った知識に毒されている結果です。目先に限れば明らかに確率変動に過ぎない株価変動に神秘的な隠された法則なぞあるはずがありません。このことは既に統計的に立証されています。にもかかわらず、テクニカル分析の世界でバイブル視されている投資法は全てといってよいほどこの手のカルトがかった投資法です。そんなものを勉強するよりも我々が提唱するように合理的な統計と確率を信じ、感情と先入観、自己都合の期待を排除した投資法に徹するべきです。
１）集団心理に逆らい、バスケット買いすること
バスケット売買の有利なことは統計的に立証されています。その作業を昨年９月の同時多発テロのような悪材料がでて市場がパニック状態になった時に果敢に実行することです。
上述のような機械的投資法がいかに有利かということを次に解説します
１）何時、買い出動するか
日経平均チャ−ト（日足）の下に描かれているなめらかな曲線が長期株価弾性値です。（長期株価弾性値については拙著「投資術の革命」で解説してあります。書店に在庫はありませんが弊社にお申し込みになれば入手可能です。定価は２９４０円−税、送料込）この曲線を生の長期弾性値が「−１２」ポイント以下の水準から上抜けたところを、とりあえず買いのポイントと規定します。
上のチャ−トでは２００１年３月１６日と２００１年９月１９日が買いサインを発した日になります。
２）その時どんな銘柄を買うか
株は単純に安いところを買えばよい。ということを納得して頂くために超簡単な銘柄検索法を採用してみました。
銘柄検索手順
@貸借銘柄 →A当日出来高５０万株以上→B直近３日間の値下がり率の大きい順に５銘柄を選ぶ
ただし株価が１００円以下の銘柄は倒産懸念があるので買い付け対象銘柄は１００円以上１０００円以下とした。
１０００円以下としたのは単純に少額資金で分散投資できるように配慮したに過ぎません。 |
| こんな単純な方法で果たして儲かるのかと思われることでしょう。私がここで強調したいのは同じテクニカル分析なら怪しげなケイ線の秘法を勉強するよりも、単純ではあっても合理的な投資法を選んだほうが余程役に立つという点です |
２００１年３月１６日の例
合格５銘柄
２００１年９月１９日の例
合格５銘柄
上記の例を見ても明らかなようにフシを抜けてから買うとか上昇トレンドを確認（どうして確認するの？）してから買うなどという従来のケイ線の常識にとらわれずに、下げの途中でも買う、下がったら更に買い増す、という単純な投資法の方がはるかに威力のあることが無条件にご理解頂けるのではないかと思います。
- １）貸借銘柄に絞る
- ２）出来高（当日１０万株以上）
- ３）１５日移動平均カイ離＜−１５％（１日前）:５０日移動平均カイ離＜−３０％（１日前）:ＲＪ指数Ｖ字反転
- ４）足取り（当日陽線）
（※絞り込みの特注版連続検索を利用すると上記の作業はワンタッチでできます）
２００１年３月１６日の例
この結果が満足すべきものかどうか評価が分かれるところでしょうが、全上場銘柄
を機械的に検索し１銘柄だけ選び出し、その銘柄が７日間で２３．２％上がったところで利食いできたのですから、とりあえず満足すべきでしょう。
２００１年９月１９日の例
「ユ−ザ−銘柄管理」で値がさの任天堂を１／１０単位だけ買うことにする
無論、ここで解説した売買手法を利用しさえすれば全ての時にうまくいくというわけではありません。
ただし、下がり始めてから一定期間経過した銘柄の安いところを買うというやり方は、大方の投資家よりは安いところを買っている結果になり、さらに一段安をしたところでナンピンを入れるという前提に立てばかなりパフォ−マンスは良くなるはずです。
無一文になるには、腕前より運がものをいうゲ−ムで、パタ−ンを見つけたと思い込むのが一番である。（ウォ−レン・ウィ−バ−）
「相場はどうなるのか」と考えたり、人にたずねるのはやめたほうがいい。これは、答えようのない疑問であり、見当違いの疑問である。（ウィリアム・シャ−デン） |
（今回はユザ−会報（ＪＰ会報）１月号より転載いたしました）
|
|
|
